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ドラマ「ザ・ボーイズ」登場人物とあらすじ全話ネタバレ紹介&ドラマの結末と感想まとめ!シーズン2の配信日は?

 Amazonプライムオリジナルドラマ『ザ・ボーイズ』を全話あらすじネタバレで紹介します。『ザ・ボーイズ』のキャラクター紹介や感想、シーズン2の配信日予想についても記述します。※『ザ・ボーイズ』の重要なネタバレを含みますのでご注意ください。

出典:amazon

ザ・ボーイズとは?

ザ・ボーイズのドラマ作品情報

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『ザ・ボーイズ』は腐敗したスーパーヒーローたちと、彼らへの復讐を誓う民間人たちの戦いを描くブラックコメディ・ドラマシリーズです。原作はガース・エニスとダリック・ロバートソンによる同名コミックです。Amazonプライム史上、最も視聴されているオリジナルドラマシリーズとなりました。2019年7月26日よりシーズン1が配信されました。シーズン2の配信も決定しています。

ザ・ボーイズの予告編動画

『ザ・ボーイズ』の予告編動画です。スーパーヒーロー「Aトレイン」との衝突事故により、恋人ロビンを亡くしたヒューイ。彼の元に謎の男ブッチャーが訪ねてきます。ブッチャーは腐敗したヒーローたちを倒す組織を結成していました。超能力を持たない一般人とスーパーヒーローとの戦いが幕を開けます。※グロ描写があるため苦手な方はご注意ください。

ザ・ボーイズの企画者・監督

『ザ・ボーイズ』はアメリカ合衆国の脚本家でテレビドラマ監督兼プロデューサーのエリック・クリプキにより企画されました。クリプキは1974年生まれで、人気テレビシリーズ『スーパーナチュラル』の企画原案者として有名です。『ザ・ボーイズ』の監督はエピソードによって異なります。

ザ・ボーイズの登場人物・キャスト

ヒューイ・キャンベル/ジャック・クエイド

父の営む電気屋で働く、平凡な青年。恋人のロビンをAトレインとの衝突事故で殺されます。ブッチャーと出会い、Aトレインへの復讐のため彼の組織に加わります。しかしスターライトことアニーと恋に落ち、復讐だけの人生に疑問を抱き始めます。

ウィリアム・”ビリー”・ブッチャー/カール・アーバン

イギリス出身。元FBI捜査官。スーパーヒーローを退治する組織”ザ・ボーイズ”のリーダー。妻ベッカの失踪の原因はホームランダーにあると考えており、謎の解明と復讐を誓っています。目的のためには手段を選ばない男です。

フレンチー/トマー・カポン

坊主頭のフランス人。武器製造や潜入に精通した傭兵で、”ザ・ボーイズ”のメンバーです。幼少期に父に誘拐されて虐待を受けていた過去があり、監禁されていたキミコに強く共感しています。言う事をきかないタイプで、MMと対立することもしばしば。よくフランス語を話します。

マザーズミルク/ラズ・アロンソ

”ザ・ボーイズ”のメンバー。通称MM。非行少年達の保護更生施設で働いています。妻には頭が上がらない様子。一人娘がいます。

キミコ/福原かれん

コンパウンドVの密売所で監禁されていた謎の少女。コンパウンドVを投与され、超人的な身体能力と再生能力を持っています。”ザ・ボーイズ”に救出された直後は暴力的でしたが、フレンチーの愛情に次第に心を開きます。

セブン

7人の最強ヒーローにより構成される、ヴォート・インターナショナル社所属のチーム。高貴なイメージとは裏腹に、その実態は腐りきっています。

ホームランダー/アントニー・スター

セブンのリーダーを務めるカリスマ的スーパーヒーロー。青いスーツに、赤い手袋とブーツを着用しています。星条旗柄のマントを羽織っています。目から赤い光線を出し、空を飛び、透視能力、驚異的な聴覚能力、そして怪力を持っています。高貴なイメージで人々に崇められていますが、実際は情緒不安定で利己的な性格です。人を救うことに全く関心がありません。

ディープ/チェイス・クロフォード

「7つの海の支配者」を名乗るヒーロー。海の生き物と会話したり、腹部のエラを使い水中で呼吸する能力を持っています。港や桟橋など、派遣される場が水が多い場所に限定されることに不満を持っています。加入したばかりのスターライトを脅迫して性暴力を行い、告発されました。

Aトレイン/ジェシー・T・アッシャー

「世界最速の男」を名乗り、高速で移動する能力を持ったスーパーヒーロー。シーズン1エピソード1でヒューイの恋人ロビンに衝突し、殺害します。その正体はコンパウンドVによるドーピングの常習者です。

トランスルーセント/アレックス・ハッセル

身体を透明に見せる能力を持つヒーロー。実際に透明になるわけではなく、皮膚を炭素系の
物質に変化させて光を捻じ曲げることで姿を消しています。基本的に全裸です。能力を使って女子トイレを覗くことが趣味の下劣な男です。

ブラック・ノワール/ネイサン・ミッチェル

全身真っ黒なコスチュームに身を包んだヒーロー。非常に俊敏で、闇に紛れて暗器を駆使して戦います。寡黙で一言も話しません。

クイーン・メイヴ/ドミニク・マケリゴッ

アマゾネス風のコスチュームを身につけたスーパーヒーロー。怪力と強靭な肉体が武器。かつてホームランダーと交際していましたが、別れを告げました。ホームランダーの利己的でサディスティックなやり方に戸惑っています。同性の元恋人がいます。

スターライト(アニー・ジャニュアリー)/エリン・モリアーティ

電気を操り、手から光線を放つ能力を持ったスーパーヒーロー。新人としてセブンに加入しますが、ディープからの性暴力、露出の多いコスチュームの強要、嘘で固められた宣伝イメージなど、その悲惨な現実に戸惑います。失意の中ヒューイと出会い恋に落ちます。能力使用時には両目が光ります。

マデリン・スティルウェル/ エリザベス・シュー

ヴォート・インターナショナル社の副社長。ヒーローの軍事利用を目指しています。ホームランダーの担当で、彼の不安定さに漬け込み操ります。

ザ・ボーイズの全話あらすじネタバレ

エピソード1"発端"あらすじネタバレ

ヴォート・インターナショナル社に所属するスーパーヒーローたちが活躍する世界。

ある日、気弱で平凡な青年ヒューイの目の前で恋人のロビンがAトレインとの衝突事故により亡くなります。ヴォートから提示されたのは形だけの弔いと和解金でした。苦しむヒューイの元にブッチャーが現れ、スーパーヒーローたちの腐敗を暴くためにヴォ―トに盗聴器を仕かけることを提案します。

一方、ヒーローになることを夢見る少女アニーはスターライトとしてセブンに加入します。しかし先輩ヒーローのディープに脅迫され、オーラルセックスを強要されます。セブンの邪悪な実態にアニーは戸惑います。ヒューイとアニーは偶然知り合いになります。

ヒューイが設置した盗聴器はトランスルーセントに発見されます。ヒューイはトランスルーセントに襲撃されました。しかし間一髪でブッチャーが助けに入り、トランスルーセントを捕獲しました。

エピソード2"指導"あらすじネタバレ

ブッチャーとヒューイはトランスルーセントをフレンチ―の元に連れて行きます。フレンチ―は炭素系の弾丸を作るなどしますが、硬い皮膚を持つトランスルーセントを殺すことはできません。

アニーはディープに、今度性暴力を行ったら容赦しないと宣言します。

ヴォ―ト副社長マデリンはスーパーヒーローを軍に派遣するため画策していました。

フレンチ―はトランスルーセントの肛門にプラスチック爆弾(内臓は硬い皮膚を持たないため)を埋め込み脅迫します。トランスルーセントは「Aトレインはロビン殺害直前、恋人のポップクロウと一緒にいた」と白状しました。ブッチャー不在の間に逃げようとするトランスルーセントを、ヒューイは爆破して殺害しました。

エピソード3"収穫"あらすじネタバレ

ヒューイはブッチャーたちと行動を共にするため、荷物をまとめて実家を出ました。ブッチャーはMMを仲間に入れました。

アニーはマデリンに露出の多い衣装を強制され困惑します。

ヒューイはポップクロウの自宅にインターネット業者を装って潜入し、監視カメラを仕かけました。カメラにはAトレインが薬物「コンパウンドV」の常習者である様子が映っていました。ブッチャーは薬物使用を告発することにより、スーパーヒーローの軍事介入阻止を企てます。

その後Aトレインはレースに勝利し、ポップクロウの存在を隠して「彼女募集中だ」とインタビューで答えます。ショックを受けたポップクロウはコンパウンドVを接種。興奮のあまり自宅アパートの大家を死亡させます。ブッチャーはそれを利用してポップクロウを脅迫します。

一方、ホームランダーはトランスルーセントの遺体を発見しました。

エピソード4"彼女"あらすじネタバレ

ポップクロウの証言により、ブッチャーらはコンパウンドVを密売しているアジアの国際犯罪組織のアジトを突き止めます。

そこには監禁された少女がいました。不憫に思ったフレンチ―は少女を解放します。少女は驚異的な身体能力でマフィアたちを殺害し、逃走しました。

MMは少女がコンパウンドVを投与されていた痕跡を見つけました。フレンチ―は地下鉄で少女を捕まえることができました。

ヒューイとアニーはボーリングデートに出かけます。

一方、ホームランダーとクイーン・メイヴは、ハイジャックされた飛行機の救出任務に向かいます。しかしホームランダーの油断により機長が殺害されます。クイーン・メイヴは乗客を救うよう懇願しますが、ホームランダーは「見殺しにしたことがバレる」という理由で助かりそうな乗客さえも見捨てました。飛行機は墜落。クイーン・メイヴはホームランダーの欺瞞に苦しみます。

エピソード5"信念"あらすじネタバレ

Aトレインはポップクロウから情報を漏らした相手を聞き出し、彼女を殺害します。クイーン・メイヴは同性の元恋人の家を訪ねますが、起きたことを話さず立ち去ります。

宗教イベント「ビリーブ・エキスポ」にはアニーと、体が伸びるヒーローのエゼキエルが参加していました。ヒューイはエゼキエルに接触するためアニーにVIPチケットを頼みます。ヒューイはエゼキエルが同性愛を禁止していながらゲイであることをエサに脅迫し、彼から情報を聞き出します。

アニーは用意されたシナリオを捨て、ステージ上で自分の言葉で信仰について語りました。そしてヴォートのヒーローから性暴力を受けたことを告発しました。

ブッチャーはヴォートでコンパウンドV漬けにされている乳児を発見します。一方、謎の少女はブラック・ノワールの手からフレンチ―を守りました。

エピソード6"無垢"あらすじネタバレ

ブッチャーはヴォートがコンパウンドVを使用してスーパーパワーを持つ子どもを製造していることを知ります。マデリンはディープに性暴力について公に謝罪させ、彼をオハイオ州に左遷します。

ブッチャーは8年前に彼の妻ベッカがホームランダーに強姦され、その後失踪したことをヒューイに明かしました。フレンチーとMMは心を読む能力を持つメズマーの力を借り、少女の記憶を読み取ります。

少女の名はキミコといい、幼い頃に誘拐されテロリストグループで働かされていました。キミコには生き別れの弟がいました。ヴォートはテロリストにコンパウンドVを投与し、ヴィランを製造していたのです。ブッチャーはCIA副長官のスーザンに証拠と引き換えにヴォートの告発を依頼しますが、ホームランダーには手が出せないと言われ、取引を中止します。

メズマーはホームランダーにブッチャーたちの存在を告げ口します。ヒューイとアニーは恋仲になりますが、ブッチャーはそれに反対します。

エピソード7"防衛"あらすじネタバレ

ホームランダーはトランスルーセント殺害の犯人がブッチャーたちであることをセブンのメンバーに告げます。そしてヒューイと交際しているアニーを強く非難します。アニーをかばったのはクイーン・メイヴでした。

Aトレインは父親を人質にとってヒューイを呼び出します。キミコが隙を突いてAトレインの右足を折りました。ブッチャーは裏切ったメズマーを殺害しました。ブッチャーは、8年前にCIAのマロリーからホームランダーとベッカの密会を知らされたことを思い返します。

ベッカの存在を思い出したホームランダーは、元ヴォートの研究者であるフォーゲルバウム博士の元を訪ねます。博士はベッカがホームランダーの子どもを妊娠していたことと、出産の際にベッカも赤子も亡くなったことを告げました。ブッチャーはメンバーとその家族を守るため、スーザンに保護を頼みました。一方、スーパーパワーを持つテロリスト「ナキーブ」が出現し、スーパーヒーローの軍事介入を阻止することが難しくなりました。ヒューイはアニーに、スーパーパワーはコンパウンドVによって作り出されたものであることを教えます。

エピソード8"発覚"あらすじネタバレ

ナキーブを倒すため軍はヴォートと契約。コンパウンドVの告発は困難となりました。超人テロリストを生み出したのはホームランダーでした。

ブッチャーとヒューイはマロリーの元を訪れます。マロリーはヴォートを捜査したために孫を焼き殺され、ブッチャーと絶縁していました。マロリーは、ホームランダーは副社長のマデリンと特別で複雑な関係にあり、マデリンこそがホームランダーの唯一の弱点だと教えます。マロリーはブッチャーと離れるようヒューイに警告します。ヒューイはアニーに助けを求めますが、彼女は拒否します。

自分のパワーが作られたものであることを知り、自暴自棄のアニーを励ましたのは、クイーン・メイヴでした。一方、フレンチ―たちが捕らえられます。ヒューイはブッチャーと決別して彼らを助けに向かいます。ヒューイはフレンチ―たちを救出しますが、兵士たちに追いつめられます。絶対絶命のヒューイを救ったのはアニーでした。

そこにAトレインが立ちふさがります。AトレインはコンパウンドVの長期服用により弱っており、心臓発作を起こして倒れます。ヒューイはAトレインに救命措置を施します。アニーはAトレインを引き受け、ヒューイを逃亡させます。

ブッチャーはマデリンの自宅に潜入し、子どもを人質にとってマデリンを拘束しました。ホームランダーが現れ、フォーゲルバウム博士から真実を聞かされたことを告げました。そしてホームランダーはマデリンを殺害しました。ブッチャーはマデリンの体に巻いた爆弾を起爆しました。目覚めると、ブッチャーはホームランダーによってある家の庭先へと連れ去られていました。家から母子が出てきました。それはベッカと、彼女とホームランダーの間に生まれた息子でした。

感想と考察

かなり面白いドラマです。一気見しました。
ブラック・コメディ色が強く、重くて胸クソ悪いストーリーですがコミカルなので結構笑えます。
アク〇マンやスー〇ーマン、フ〇ッシュにソックリなヒーローが極悪非道という設定だけでクスリときますね。元のヒーローたちが好きなので。


個人的にはmetooムーブメントを象徴するようなキャラクターのアニー(スターライト)がとても好きで感情移入しました。最初は意地悪だったクイーン・メイヴが彼女の背中を押すのも最高。

 

最強で最凶のキャラクターはホームランダーです。マデリンに母性を求め、彼女の子ども(まだ赤ん坊)にすら嫉妬する姿は非常に薄気味悪い...。アントニー・スターの怪演が最高ですね。マジで気持ち悪い。

 

しかし、研究室で他者との触れ合いなく"作られた"彼を思うと、傍若無人の振舞いに少し納得する気も。彼のやった行いを考えると「悪者にも事情があるよね~」で済ませないで欲しいとは思いますが…。

 

Aトレイン(ジャズの名曲「A列車で行こう」から付けられた名前が地味に洒落てる)も「世界最速」という栄光に縋らなければ生きていけない、非常にもろい人で。

 

クイーン・メイヴは同性愛者(バイセクシャル?)であることを隠し、組織と自分の人生の間で揺れている偽りの女王で。良いキャラしてます。

 

彼女がザ・ボーイズの味方になってくれるといいのですが…。そしてブラック・ノワールはいつ喋るのでしょうか(笑)

 

ただの悪趣味コメディではなく、こんな風に一人ひとりのキャラクターがかなり奥深いので見ていて飽きさせません。


最終話はズーンと落ち込みました。
ブッチャーがあまりに不憫!ベッカに一体何が起きたのか!?
こんなに重いストーリーなのにまだまだ続きが見たくなるので、すごいドラマですよね。

ザ・ボーイズシーズン2の配信日は?

ザ・ボーイズはシーズン1配信前からシーズン2の制作が決定していました。今年2019年の夏にトロントで撮影が開始しています。カール・アーバンやジャック・クエイドなどシーズン1のキャストほとんどの続投が決定しています。また、新キャラであるネオナチのスーパーヒーロー「ストームフロント」役でアヤ・キャッシュの参加が決定しています。

『ザ・ボーイズ』シーズン2の配信日は決定していませんが、おそらく2020年夏頃だと予想できます。

まとめ

今回はAmazonオリジナルドラマ『ザ・ボーイズ』のあらすじネタバレをご紹介しました。『ザ・ボーイズ』は腐敗したスーパーヒーローたちに超能力のない一般人が立ち向かう異色のドラマでした。この記事を読まれて『ザ・ボーイズ』に興味を持たれた方は、是非本編をご鑑賞ください。

【韓国文学】ハン・ガン著『菜食主義者』内容ネタバレ感想:フェミニズム文学

ハン・ガン著『菜食主義者』を読んだので感想をまとめました。

フェミニズムが盛り上がっている韓国らしい小説でした。

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)

 

 ハン・ガン著『菜食主義者』とは

 韓国の作家ハン・ガン(韓江)による『菜食主義者』は、表題作の「菜食主義者」と「蒙古斑」「木の花火」の三つの短編からなる三部構成です。

 

アジア初のブッカー賞(英国の権威ある文学賞)を受賞した作品で、2010年にはイム・ウソン監督により原作に忠実な映画化もされており、人気が高い小説です。


 「菜食主義者」では、ある日突然肉を食べなくなった女性ヨンヘが、その夫の目線で描かれます。

 

 「蒙古斑」はヨンヘの姉インヘの夫が主人公です。彼はヨンヘの身体に残る蒙古斑に欲情し、自身の作品のモデルを依頼します。

 

 「木の花火」は、命が危ういほど衰弱していくヨンヘが、インヘの目線で描かれます。

 

 感想を記す前に、まずは『菜食主義者』の内容あらすじを簡単にご紹介します。
 

 注:あらすじはネタバレを含みます。

 

菜食主義者』あらすじ

 

「平凡な妻の役」をこなしてきた主婦ヨンヘは、ある日残虐な夢を見たことを夫に告げ、肉を食べることを止める。彼女は夢のせいで不眠状態になり、肉だけでなく食欲自体が乏しくなり、痩せ衰えていく。

夫とヨンヘの父母は彼女に肉を食べるよう強要する。父が無理やり口に肉料理を押し込もうとし、ヨンヘはその場で自殺未遂する。

彼女は救急で運ばれ一命を取りとめるが、病院の噴水台で上半身裸で小さなメジロを噛み殺す。

 

蒙古斑』あらすじ

ヨンヘの姉インヘの夫は映像アーティスト。彼はヨンヘの体に蒙古斑が残っていることを聞き、そのイメージが頭から離れなくなる。

彼はヨンヘに近づき、自分の作品のモデルになってくれるよう依頼する。ヨンヘは承諾する。ヨンヘの体に色とりどりの花の絵を描き、彼の欲望が満たされる。

彼は後輩の男性を呼び出し、その体に花を描き、ヨンヘと性交するよう指示する。後輩は固辞して帰っていくが、ヨンヘは乗り気だった。

その姿を見たインヘは元交際相手のアーティストの女性に依頼し、自分の体に花を描いてもらう。そしてヨンヘと性交する。その様子を収めたビデオを、ヨンヘを心配して来たインヘに目撃される。夫が精神不安定なヨンヘに手を出したことに激昂したインヘは、二人を精神病の急患と見なし救急車を呼ぶ。

 

『木の花火』あらすじ

ヨンヘが菜食を始めてから3年後。インヘは夫と別れていた。ヨンヘは精神病院に収監された(インヘの夫は留置所に入れられ、その後姿を消した)。

父母はヨンヘを見捨てたが、インヘは妹を見捨てなかった。ヨンヘは食べることを拒否し、植物になろうとしていた。

インヘは人生に空しさを覚え、自分にも精神病の気配があることに気付く。

インヘと病院関係者たちはヨンヘの鼻から無理やり栄養を摂らせようとする。ヨンヘが苦しむ姿を見てインヘは処置を止めさせる。ソウルの大病院へ向かう救急車の中で、ヨンヘは木々を睨んでいた。

 

感想

菜食主義者』はネット上では「人間の植物性と獣性というテーマで書かれている」というレビューが多いですが、私はフェミニズム文学としての側面が大きいと受け取りました。


ハン・ガンは大学生のときに韓国の作家イー・サンの作品に感銘を受け、植物について書くというアイデアを得たそうです。

 

彼女は主人公ヨンヘについて「自分の人間の体を捨て植物に変身することで暴力に背を向けようとする極端な試みの裏には、人類に対する深い絶望と疑念があります。」と語っています。(THE WHITE REVIEWのインタビューより引用)

 

ハン・ガンの作品は初めて読みましたが、『少年が来る』という光州事件をテーマにした作品も発表しているそうです。

 

暴力と人権の抑圧が、ハン。ガンの主要なテーマなのだと思います。

 

第一部『菜食主義者』の主人公であるヨンヘの夫は、端的に言えば妻に対する愛情のない軽薄な男です。

 

異常な夢に悩まされ衰弱していく妻を病院にも連れていきません。ヨンヘに肉を食べさせようとするのも、化粧をさせるのも全て自分の体裁のためにやっています。

 

ヨンヘが美人や裕福な女性と違って劣等感を抱かなくていい「平凡な女性」であるから結婚したような男です。

 

また、ヨンヘの父親も(インヘ目線で)暴力的に書かれています。母親の代わりに家事をする姉はその暴力を逃れましたが、ヨンヘは父に殴られていました。

 

ヨンヘが拒食により背を向けようとしていたのは、そんな「家父長制の暴力」ではないかと思えてなりません。

植物の世界に肉体的な暴力性は存在しませんから。

 

異常極まるヨンヘの言動が、時たま重荷から解放された自由な人間存在に思える。そんな危うさがある小説でした。

 

他にもベジタリアンへに対する世間の風当たりの強さ、いじめが描かれていて、リアリティがありました。

 

蒙古斑』で、ヨンヘは「体に花を描く」というアートに強い関心を示します。

 

『木の花火』の中で、それが「植物と一体化することへの憧れ」だったことが示唆されています。

 

アーティストとしてヨンヘの中の「植物への憧れ」に気付いたインヘの夫は、実は作中で最もヨンヘを理解し助け出せる人物だったのかも知れません。

 

しかしインヘの言う通り、社会から見れば、彼は己の欲望を満たすために精神病の女性を利用した犯罪者に過ぎません。

 

芥川龍之介の『藪の中』のように、それぞれの証言の食い違いから真実が分からなくなる面白さがありますね。

 

それでも、インヘの夫はヨンヘを救えたかも知れないと考えてしまいます。

 

 

『木の花火』ではインヘの内面が重点的に書かれます。

インヘは妹に献身しながらも、自身が「自分の人生」を生きてこなかったことに気付き、そして自分の中にも精神病になる可能性はあることに気付きます。

 

この作品の中でもインヘの良妻として生きる苦悩や、夫からの性行為の強要など家父長制の暴力が描かれます。

 

インヘもヨンヘと同じように、女性であるがゆえの差別に苦しんでいます。

インヘを現世に留めたのは子どもの存在でした。

 

ラストの救急車の中で、インヘは自分の子どもにするようにヨンヘに語りかけます。作中でヨンヘのその後は語られません。

 

インヘがヨンヘの痛みを理解し、回復の手助けとなる未来があってもおかしくないのではないと思います。暴力の中で生きた姉妹が、自身の人生を取り戻せるといいのですが...。

 

ただ一人でもヨンヘを「そのままでいいよ」と認めてくれる人がいたら、彼女は死へと急がなかったかもしれない。

 

そう思わずにいられない、生々しい小説でした。

 

森を睨みつけるヨンヘの眼光は、この社会全体に向けられているのでしょう。

ハン・ガンの筆力と世界観はすごく魅力に感じたので、今後も読み続けたいです。

 

以上、ハン・ガン『菜食主義者』内容あらすじネタバレ感想でした。

ヒプノシスマイク「Hoodstar」の歌詞の意味を解説してみた。「プレタポルテ」「6oz」とは

2019年4月24日、「ヒプマイ」こと『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』のファースト・アルバム『Enter the Hypnosis Microphone』が発売されました。

ヒプマイは男性声優12人によるラップソングプロジェクトで、開始当初からクオリティの高い楽曲と魅力的なキャラクターで注目を集めるコンテンツです。アルバムは初週で8万枚を売り上げオリコン週間ランキング2位にランクイン。男性キャラクターによるアルバムの歴代最高初動売上を塗り替える特大ヒットとなりました。

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そんなアルバム『Enter the Hypnosis Microphone』の幕開けを飾る曲が、キャストが勢ぞろいして歌う『Hoodstar』です。モータウンサウンドを思わせるどこか懐かしいメロディで、聴くとノリノリになってしまいます。

そんな『Hoodstar』ですが「プレタポルテ」「6oz」「クリニカル・インディケーター」など、聞きなれない単語が並んでいます。

 

というわけで、今回は自分用も兼ねて『Hoodstar』の歌詞に登場する用語の意味を調べて解説してみました。

『Hoodstar』

作詞作曲編曲:invisible manners

 

※I'm a Hoodstar
 Hoodstar=Hoodはヒップホップのスラングで地域、地元。neighborhood(近所)の略。つまり「地元で有名」という意味。

ちょい、名を成した
この街で一番のBad boys
 Bad boys=ワル、不良

(その筋じゃ有名)

Check yourself そう急かすな
 Check yourself=「気をつけろ」という忠告の言葉。元N.W.A.の伝説的ラッパー、アイス・キューブの曲に”Check yo self”がある。


直ぐ順繰りにぶっ飛ばす!
 順繰り=順番に

Ahhhhh!


ブクロは俺らのホームタウン
 Hometown=生まれ故郷の町

おっと ご無体 ご法度 Calm down
 Calm down=「落ち着け」という意味

Yo 勝手はさせない 解ってるはずだぜ
とっぽい奴も、じゃないっぽい奴も

 とっぽい=キザで不良っぽい

Haterか何だか知んねーから!
 Hater=ヘイトする人、アンチ

カラカラの脳には

用はない話だ
BusterBros 敵に回して
馬鹿バラ撒いてんのお前の方じゃね?

 

ただただ呆れる
アキレス腱さらす雑魚共相手の
 アキレス腱さらす~=BusterBrosに楯突いた人間はアキレス腱を見せて(後ろ姿を見せて)逃げ出すのだ。

毎日に飽きてる
万が一にも勝機はない
お前らに全くもって興味はない

Check it out
 Check it out=注目しろ!という意味

 

かにもかくにも いくぜbaby
Boogie down Walking down
 Boogie down=ニューヨーク市ブロンクスの別称。ヒップホップ発祥の地と言われている(諸説ある)。続くWalking down(訳:歩いていく)に合わせた言葉遊びと思われる

ブクロ・レペゼン
  レペゼン=represent、代表する

惚けた相手じゃ儲けもんだぜ
よう学んどけ 俺らon the stage

 

※繰り返し

 

混沌と混沌の間で
本当の感情はコントロール不能なようだ
「侠客斯くあるべし」なんて
 侠客=義侠・任侠を建て前として世渡りする人(出典:小学館デジタル大辞泉)要するにヤクザ。

口で言うほど簡単じゃねえよ

 

鈍臭い

奴は

Sacrifice
 Sacrifice=生贄

しゃあない

警視庁内 懲戒覚悟で跋扈
 跋扈=意のままに振舞うこと

never back down
 never back down=取り消さない、後戻りはしない

馬鹿ばっかだからな
Wackな爆弾処理がmy workだ
 Wackスラングでつまらない、悪いという意味

 

不注意な連中

ブービートラップ
 ブービートラップ=戦場で仕かけられた偽装の罠

ハメる

足掻くもなく

戦慄き泣く
毒もないが まるで味気もない

ドクトリンなくして 君の勝利はない
 ドクトリン=教義を意味する軍事用語。戦術や思想、大義名分。

 

Check it out
かにもかくにも いくぜbaby
Boogie down Walking down
ヨコハマ・レペゼン
惚けた相手じゃ儲けもんだぜ
よう学んどけ 俺らon the stage

 

※※Division Rap Battleで
願いを叶えてやるぜ
気分はBouncy
 Bouncy=弾んでいる
Don't stop your music
扉開ける鍵は
ライムジャンキーなガキの悪足掻き
チープなプライドじゃ
たちまちに喰われちまうぜ
流線型 描いてくデリバリー
フローで切り開く この茨道
てか何しに生まれ謳うかを
その目その耳で確かめな

 

※繰り返し
Remix!

 

惚れた腫れたはプレタポルテ
 プレタポルテ=高級既製服

いやいや僕はオートクチュールです
 オートクチュール=オーダーメイドの高級服。つまり乱数との「惚れた腫れた(恋愛)」は大量生産の既製品ではなく、一点ものだと主張している?

コットンキャンディはmade in 乱数
甘くて苦〜い ファムファタール
 ファムファタール=フランス語で運命の女性、魔性の女性の意味

 

演じきる 背徳的態度
性悪でnoirなジキルとハイド
 noir=フランス語で黒

 ジキルとハイド=二重人格の博士を描いた小説

光の三原色 RGB
 RBG=三原色の赤 (Red)、緑 (Green)、青 (Blue)の頭文字を取った用語

Ramuda Gentaro
残りはBakaだ♪

 

おい!誰がバカだ!(嘘嘘♪)
それよりもバカラ
 バカラ=カジノで行われるトランプゲーム。ギャンブルの王様と呼ばれている。

馬でも鹿でも猪鹿蝶だ
 猪鹿蝶=花札の役

元手を頂戴 my posses? (Okay!)
倍の倍返し 奪い返すぜキョーダイ

 

Check it out
かにもかくにも いくぜbaby
Boogie down Walking down
シブヤ・レペゼン
呆けた相手じゃ儲けもんだぜ
よう学んどけ 俺らon the stage

 

※繰り返し

 

甚だ 可笑しな話
だが中には稀に素晴らしい
クリニカル・インディケーター
 クリニカル・インディケーター=臨床指標。医療の質を評価する指標

謂わば オリジナル韻辞典だ

 

本日のイベンタは 飲兵衛に乾杯
あ グイグイグイグイ
グビグビグビグビ Good!

6ozタンブラー 気分はヘネシー
 6ozタンブラー=ozは体積の単位。1ozはイギリスでは28.41ミリリットル、アメリカでは29.57ミリリットル。6ozサイズの酒が入るタンブラーのことだろう。
 ヘネシー=高級クラブで定番のブランデー。ヒップホップの歌詞によく登場する。

Shot shot shot! 楽しいっしょ?
 Shot=「酔っ払う」を意味するスラング

 

 

しょうがねぇな 一二三
肝臓(リバー)大切に( ´•ω•`)
 肝臓(リバー)=肝臓は英語でliver

治外法権 基本自己責任の街
ギラッギラなのでも
ペラッペラな俺みたいなのでも
飲み込む Shinjuku Town

Check it out
かにもかくにも いくぜbaby
Boogie down Walking down
シンジュク・レペゼン
惚けた相手じゃ儲けもんだぜ
よう学んどけ 俺らon the stage

 

※※繰り返し

 

(中略)

 

壁に書かれた嘘に唾を吐き
泣き喚いてちゃ置いてかれんぜ
点と点を繋げるこのマイク
ハイエンド連呼する 俺らのライム
 ハイエンド=最高級、高級品という意味。自分のライムは最上級だと主張しているのだろう。
流線型 描いてくデリバリー
フローで切り開く この茨道
てか何しに生まれ謳うかを
その目その耳で確かめな

 

以上、『Hoodstar』の歌詞に登場する用語の意味を調べて解説してみました。

いつも以上にヒップホップ系スラングや英単語が散りばめられていましたね。

個人的に理鶯のパートが軍事用語だったとは調べるまで気付きませんでした。

やはり職業など、キャラの個性が表れるのがヒプマイラップの醍醐味ですね。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 
slowlikehoney.hatenablog.jp

有栖川帝統の過去考察ー東方天乙統女と親子なのか

Fling Posse

出典:amazon

 

※2019/09/05 追記あり

※2019/12/17 追記あり

有栖川帝統と東方天乙統女は親子なのか

ヒプマイ世界の内閣総理大臣・東方天乙統女の情報が公開され、ネット上では「有栖川帝統の母親は乙統女ではないか?」と予想する声が飛び交いました。

私もその予想には信憑性があると考えています。

というわけで、本記事では乙統女が帝統の母親だと考えられる理由と、帝統の過去について考察していきます。

あくまで予想(ほぼ妄想の域)なので、「そういう考え方もあるのか」程度にお受け取りください。

 

帝統と乙統女の共通点

①「統」の字が共通している。

乙統女と帝統は名前の「統」の字が共通しています。

「統」の字で浮かぶのは「統べる」という言葉ですね。

「国などの領土をまとめて支配する」という意味です。

これは母である乙統女の名前から一字取ったか、帝統に「国を支配するような人物になってほしい」という願いが込められて付けられた可能性があります。

 

また、大辞林第三版には「帝統(ていとう)」という言葉が載っており、これは「天子の血筋。皇統。」という意味があります。(出典:三省堂大辞林 第三版)

ヒプマイの世界に王族制度があるか不明ですが、とても仰々しい名前です。

ここまで意味が通っていると、ただの当て字である可能性は低いと考えられます。

 

②髪の色が似ている

乙統女と帝統は髪の色がとても似ています。

ヒプマイにおいて血のつながりがある者同士は似た髪色をしている傾向があります。(例:山田三兄弟、左馬刻と合歓)

ここまで共通点があると、母親である確率は高いですね。

また、帝統は中王区内の違法の賭場を一日で探し当てました。

「賭場の場所ならすぐ分かる」というのは誤魔化しで、かつては中王区に住んでいたため地理に詳しいのかも知れません。

 

有栖川帝統の過去予想

乙統女が帝統の母親であると考えられる理由は、それだけではありません。

ここからは帝統の過去予想も交えて解説します。

 

もし本当に母親であるなら、なぜ帝統と乙統女の苗字は異なるのでしょうか。

考えられる理由は四つあります。

 

1.男児なので養子に出されたor勘当された(ヒプマイ世界は女尊男卑のため)

2.権力者の家に男児として生まれ、抑圧的な日々に嫌気がさして家出した。

3.養子縁組または家出したあと、乙統女だけ再婚して苗字が変わった。

4.事情があって身分を隠して生活している。(家出や勘当ではない)

 

このうちのどれが正しいかは、現時点では断言できません。

自分は2だと予想しています。

 

帝統は根っからのギャンブラーで、安定とは程遠い生活をしていることが本編で描かれています。

これは推測ですが、彼のギャンブル好きな性格は、幼少時の経験が影響しているのではないでしょうか。

 

内閣総理大臣になるくらいなので、乙統女は昔から有力な政治家だったかと思います。
帝統は幼少から「男に生まれなければ政治家になれたのに」「男だから母親のようにはなれない」と言われ、存在を否定されて育ったのではないでしょうか...。

※コミカライズでヒプマイ世界が女尊男卑になったのは東方天乙統女の国家転覆後と判明したので、上記は削除しました。

 それなのに帝統は「政治家の息子として規律正しく生きなさい」と生き方を押し付けられます。

そのため、敷かれたレールに乗ることを嫌う反抗的な性格になったのでは...?

サラリーマンである独歩に過剰なまでに攻撃的になっていたのも、そのためではないでしょうか。

帝統は目上にひれ伏して従順な態度を取る者に、嫌悪感すら抱いています(母親にへりくだる人々を幼少期から見ていたため?)。

帝統にとってサラリーマンはその典型なのではないでしょうか。

 

ギャンブル好きになったのも、家柄への反発。

ギャンブルは強運と度胸で結果が決まるゲーム。そこに性別や家系は関係ありません。

帝統は「生きている実感」を常に求めている台詞があります。

それまでの人生で、「自分の人生を生きている」と到底思えなかった…。

そのため、自分の身一つで勝負できるギャンブルに惹かれたのではないでしょうか。

 

また、帝統は若干20歳にして何百万単位の金を動かす金銭感覚の持ち主なので「金持ちの御曹司なのでは?」とも言われています。

政治家も莫大な資産を持つ人が多く「金持ち」と呼べる職業ですね。

 

なお、帝統は乱数や幻太郎などチームメイトの過去に興味がない様子を見せています。

これは、自分が乙統女の息子であるという秘密を持っているため「誰にでも知られたくない秘密はある」と理解し、達観しているのではないでしょうか。

 

有栖川帝統は実家に帰れない事情がある?

『WWW』のドラマパートで、理鶯が生き倒れの帝統を介抱したというエピソードが語られました。

『BBB』のドラマパートでも帝統は幻太郎に「お金貸してくださーい」と泣きついています。

 

帝統はまだ20歳。親から仕送りをもらっていてもおかしくない年齢です。

けれど親族の援助を受けず暮らしているのは、前述の理由で乙統女と縁を切っているからではないでしょうか。

 

ここで、また一つ疑問が浮かびます。

これらの推論が正しいならば...なぜ、誰も帝統が総理大臣の息子であることを知らないのでしょうか?

私は政府が隠しているのだろうと思います。

総理の「不肖の息子」の存在を知られると、支持率の低下に繋がるためです。

帝統自身も、乙統女の息子だと知られれば暗殺されたり身の危険が及ぶ可能性があるので、秘密にしているのではないでしょうか。(中王区に不満を持つ人間は多いので)

有栖川帝統という名前も、身分を隠すための偽名なのかも知れません...?

 

 有栖川帝統とFling Posseの関係

乱数が帝統の過去を知っているかは不明ですが、幻太郎は帝統の出自に気付いており、それを元にしてStellaを書いたのではないかと思います。
曲中で、帝統は国を追われた元王様として描かれています。


幻太郎は、もし『シナリオライアー』の歌詞が真実ならば捨て子です。なので、親と断絶している帝統に共感を覚えている可能性があります。

Stellaで幻太郎は「貧富の差の激しい世界で生きる盗賊」として描かれているので、彼も中王区絡みの過去がある可能性は高いですね。

(盗賊という設定は「嘘つきは泥棒の始まり」ということわざから取っているのではないかと思います。泥棒→盗む→盗賊)

 

乱数が人間に恨みを持っている様子が描かれたので、ネット上では「乱数は中王区が製造した人造人間説」が有力視されています。

今後はPosseと中王区の戦いが描かれるかも知れないですね。

 

 まとめ

今回は東方天乙統女との共通点に加え、有栖川帝統の性格や言動から過去を予想してみました。

蛇足ですが、筆者はヒプマイのキャラで有栖川帝統が一番好きです。

素直で人懐こい性格なのにラップは力強いし、かっこよく啖呵を切る所もたまりません。

なので、今後の展開では彼に幸せになってほしいです。(ギャンブルとラップができるだけで本人は十分幸せなのかも知れませんが...)

そしてStellaの曲中にあるようなPosseの絆が今後も描かれることを願っています。

  

※2019/09/05追記

新曲『ヒプノシスマイク-Alternative Rap Battle-』主題歌の配信が開始しました!

 

今回も帝統絡みの気になる歌詞がありました。

帝統パートには「Zion(ザイオン)」「Babylon(バビロン)」などの言葉が入っています。

Zionは「シオン」とも読み、古代ユダヤ人の都市の名です。「バビロン」はユダヤの民を制圧したバビロニアの古代都市を差すのでしょう。

『Stella』で「星を追われた王様」を演じた帝統ですが、今回も「国を追われた者」をイメージさせる単語を盛り込んできました。

帝統が中王区を何らかの形で追われた高貴な身分であることは、確定かも知れません。

 

※2019/09/05 更に追記

 

どうやらザイオンとバビロンはヒップホップによく登場する対義語のようです。

バビロンは悪徳の都、ザイオンは(ユダヤ民族にとっての)神の国、約束の地という意味を持ちます。

 

元々はレゲエの歌詞に登場する「バビロンシステム」という言葉が語源です。

権力者が全てを支配し、利益を独占するようなシステムの事を指します。(=中王区?)

 

ヒップホップで使われる「バビロン」は警察や政治家などを指す事が多いですが、広く「権力者」という意味で使われているそうです。

 

これは古代ユダヤ人がバビロニアに制圧され連れ去られた歴史と、ヨーロッパ人がアフリカ人(ヒップホップはアフリカ系歌手が多い)を誘拐して奴隷化した歴史を重ねる意味合いもあるそうです。

(ソースはUrban Dictionary)

 

やはりどことなく『Stella』の歌詞と重なりますね...。

今後のヒプマイの展開を要チェックですね。

 

※2019/12/17追記

 

少年マガジンエッジ1月号を読みました。

本当にありがとうございました。

(いや、まだ100%そうと決まったわけではないですけどね…!)

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アドベンチャータイムの神回15選!怖い回や泣ける回など名作エピソードを紹介

アドベンチャータイムの神回15選!怖い回や泣ける回など名作エピソードを紹介

 

アドベンチャータイム

出典:WIRED BINGE-WATCHING GUIDE: ADVENTURE TIME

アドベンチャータイムカートゥーンネットワーク制作のアニメーション作品です。

主人公フィンと犬のジェイクが繰り広げる冒険が物語の主軸ですが、このアニメは最高に面白いです。

1話11分程度の物語で、アドベンチャー、恋愛、感動、バトル、嫉妬、サスペンス、友情、命や宇宙に関する哲学的な思想…そんな色々な要素が味わえるのがアドベンチャータイムの良さです。

今回は、そんなアドベンチャータイムのエピソードの中から特におすすめの神回をご紹介します。

 

アドベンチャー・タイム シーズン1 Vol.1 [DVD]

アドベンチャー・タイム シーズン1 Vol.1 [DVD]

 

①第32話 僕の大切なもの(What Was Missing)

あらすじ

ドア怪人に各自の大切なものを奪われたフィンとジェイク、ビーモ、そしてプリンセス・バブルガムとマーセリン。取り返すためには、最高のバンド演奏をしてドアを開けなければなりません。しかし、なかなか全員の息が合わず…。

 

伝説のエピソードです。

マーセリンが歌うアドベンチャータイム屈指の名曲”I’m just your problem”が披露されます。作詞・作曲は脚本や絵コンテを担当しているレベッカ・シュガーさんです。アニメも作れて作曲もできるなんて天才としか言いようがありません。フィンが歌う”My Best Friends in the World”も素晴らしい曲です。

ストーリーの楽しさ、バブルガムの「大切なもの」の意外さ、マーセリンが見せる繊細な一面など、全てが素晴らしい神回です。

また、この回ではマーセリンとバブルガムが過去に深い関係にあったことが仄めかされます。

 

②第46話 俺はクッキープリンセス(Princess Cookie)

あらすじ

キャンディ王国のある商店で、チョコチップクッキーが人質を取り立てこもります。彼の目的はバブルガムから王冠を奪い「プリンセスになる」こと。

しかしバブルガムにそれを笑われ、ショックを受けたチョコチップクッキーは自暴自棄になり立てこもったのです。同情したジェイクはクッキーに手を貸すことにしますが…。

 

男の子ですがプリンセスになりたいチョコチップクッキーの姿がとても切ない回。

チョコチップクッキーとジェイクの間に生まれる友情が温かく感動的です。

「性別に関係なく、みんななりたいものになればいいじゃないか」というメッセージが感じられる神回です。

 

③第30話 フィオナとケイク(Fiona and Cake)

あらすじ

フィンとジェイクの女性版「フィオナとケイク」が登場。冒険を繰り広げます。

 

有名な「性転換」エピソードです。

アドベンチャータイムファンの間でも語られることの多いエピソード。

登場するのはプリンス・バブルガムや、マーセリンの男性版マーシャル・リーなど、性別を入れ替えたキャラクターばかり!彼らはものすごくイケメンです(笑)

フィオナは勇敢で行動力があり、大人しいヒロインではない所がいいですね。

なぜこの物語が生まれたのか明かされたとき引っくり返りそうになりました。

 

④第68話 究極のサンドイッチ(Time Sandwich)

あらすじ

ジェイクが作った究極に美味しいサンドイッチが、マジックマンに奪われてしまいます。サンドイッチを持って時間がゆっくり過ぎるシロップの中に閉じこもったマジックマン。フィンとビーモ、バブルガム、マーセリンも奪還に協力しますが、作戦はことごとく失敗し…。

 

サンドウィッチのため一生懸命になるジェイクが可愛く、笑えるシーンが満載です。

王道に面白い神回となっています。

 

⑤第19話 伝説のロイヤル・タルト(The Other Tarts)

あらすじ

王国の大切な儀式のためバブルガムに「伝説のロイヤルタルト」を運ぶことを命じられたフィンとジェイク。シナモンパンに偽のタルトを運ばせ、自分たちは危険なルートを歩きますが…。

 

正直、アドベンチャータイムの中で一番怖い回。

このエピソードの面白さについて、ネタバレになるので一切語れないことがもどかしくてたまりません。

アドベンチャータイムの中でも、特にナンセンスで「狂気」を描いている回とだけお伝えしておきます…。

 

⑥第60話 枕の国のフィン(Puhoy)

あらすじ

フレイム・プリンセスとの恋に悩むフィンは、枕で作ったトンネルの奥に閉じこもろうとします。しかし辿り着いたのは、住民も建物もすべて枕で出来た国。そこから帰れないままフィンは大人になり、結婚し、子どもを持ちますが…。

 

アドベンチャータイムの中でも特にSF色の強い神回。

夢か幻か分からない世界で、もう一つの人生を生きるフィン。

人生について考えさせられる(?!)エピソードです。

唐時代の中国の物語「枕中記」が元ネタといわれています。

観終えたあとの、なんとも不思議な後味が魅力です。

 

⑦第63話 愛が全て(The Suitor)

あらすじ

出だしからペパーミントバトラーによる暗黒の儀式が始まります。お城ではプリンセス・バブルガムを口説くため、求婚者たちが列を作っています。そこにはバブルガムを熱烈に愛する青年ブラコがいますが、全く相手にされません。彼女に愛されようとするブラコの努力は、やがて恐ろしい結果を招き…。

 

たぶん二番目に怖い回。

相手の中身を見ず、思い込みだけで愛することの恐ろしさと無意味さが描かれます。

青年ブラコのバブルガムへの愛は、結局のところ「自己愛」だったのかも知れません。

これ絶対子ども向けじゃない!

大人向けのシニカルなメッセージを持った物語です。

 

⑧第52話 君を忘れない(I Remember You)

あらすじ

マーセリンとアイスキングの過去の物語です。アイスキングは、かつてサイモンという名の科学者でした。彼は幼いマーセリンと戦争後の崩れた街の中で出会い、行動を共にしていました。

しかしサイモンがマーシーを守るために手にした魔法の王冠は、使った者を狂気に陥れるものだったのです。

 

涙なしでは見られない名作エピソード…。

この回では、マーセリンとアイスキングの知られざる過去が語られます。

マーセリンがサイモンへの想いを表現する”Maybe I'm the one who's nuts”、そして二人がデュエットする”I Remember You”は涙なしに聴けない名曲です。作詞・作曲はやはりレベッカ・シュガーさんです。

悲しい運命を迎え、マーセリンを忘れてしまったサイモン。それでも一途にサイモンに(友達として)愛情を注ぐマーセリンの姿が泣けます。

切なくも美しい神回です。

 

⑨第59話 サイモンとマーシー(Simon and Marcy)

あらすじ

「君を忘れない」で、かつて親友だったことが明かされたマーセリンとアイス・キング。このエピソードでは、二人のより詳細な過去が明かされます。

サイモンは47歳、マーセリン(マーシー)は7歳。荒廃した世界でマーシーを守るため、サイモンは魔法の王冠を使ってしまいます。王冠の魔力は、サイモンの心を蝕んでいき…。

 

結末が分かっているだけに、とても切ないエピソードです。

劇中でサイモンが歌うのはドラマ『チアーズ』の主題歌”Where Everybody Knows Your Name”。

権利の関係なのか吹き替え版では日本語歌詞になっておらず、とても残念です。

悲しい物語と明るい歌のギャップに胸を締め付けられます。

どんなに姿が変わってもサイモンを愛し続けるマーセリンに救われますね…。

 

⑩第66話 ビーモのルーツ(Be More)

あらすじ

誤って大切なプログラムを消してしまい、不調になったビーモ。フィンとジェイクは修理のため、ビーモを生まれた工場に連れて行きます。

 

この回では、ビーモ誕生の秘密が明かされます。

なぜビーモは作られたのか。ビーモに込められた願いとは何なのか。

最後は感動的な終わり方となっています。

ほんわかと暖かい気持ちになる回です。

 

⑪第61話 迷子のビーモ(BMO Lost)

あらすじ

ビーモは鳥に連れ去られ、遠く離れた森で迷子になってしまいます。

落ち込み、弱気になるビーモですが、同じく迷子の泡バブルと出会います。

二人は家にたどり着くため旅をします。

 

ビーモの成長譚です。

そして、ショッキングな別れが描かれる回です。

この別れは、まるで視聴者の私たちの人生にも訪れる大切な人との別れに似ています。しかしラストのビーモの台詞は、とても深く感動的です。

いなくなったように見えても、大切な人はそばにいる。そんなことを教えてくれる回です。

ビーモの可愛さも満点の神回となっています。

 

⑫第80話 フードチェーン(Food Chain)

あらすじ

自然史博物館で 食物連鎖(フードチェーン)について学ぶフィンとジェイク。そこにマジックマンが現れ、二人は毛虫や葉っぱや鳥に姿を変えられます。

「食べること、食べられること」を身を持って体験させられます。

 

日本人アニメーション監督の湯浅政明さんが絵コンテ・脚本・監督を務めた異色の回です。アニメのアカデミー賞といわれているアニー賞にノミネートされました。

幻覚のようなサイケデリックな色合いで、ちょっと怖い回。

食物連鎖の残酷さと美しさが奇妙に楽しく描かれています。

 

⑬第69話 心の金庫(The Vault)

夢で幽霊にうなされ、夢遊病にも悩まされるフィン。心配したジェイクは、レイニーコーンの催眠術ゲームをプレイさせます。するとフィンは、前世の自分は片腕のない少女ショウコだったことを思い出します。ショウコはかつて、バブルガムと出会っていました。

 

この回では、なんとフィンの前世が描かれます。

たまに宇宙的なスケールで哲学的なテーマを描くアドベンチャータイムですが、この回もかなり深いです。

ショウコとバブルガムに生まれる友情が感動的です。

鑑賞前に「ミステリー・パーティー」を見ておくと、より一層楽しめます。

 

⑭第99話 彗星とフィン(The Comet)

彗星をめぐる一連のエピソードの最終話です。

100%楽しみたい方は「エバーグリーン」から見る必要があります。

また「心の金庫」で描かれたフィンの前世や、「夢のお告げ」の奇妙な予知夢も伏線です!壮大ですね。

 

宇宙スケールの物語。

彗星が語る言葉は非常に哲学的で、心動かされるものがあります。

それに対するフィンの回答はまさに「生の肯定」…というのは言い過ぎでしょうか。

とにかく壮大な話なので、見て損はありません。

フィンが歌う”Everything's Falling into Place”も名曲です!

 

⑮第29話 ありがとう(Thank You)

あらすじ

今回の主役はスノーゴーレム。スノーゴーレムは、群れからはぐれたファイアーウルフの子どもをかくまいます。

二人はだんだん距離が縮まっていきます。しかしファイアーウルフが近づけば近づくほど、雪でできたスノーゴーレムは溶けてしまい…。

 

ほとんど台詞がない物語です。

自分は溶けてしまうというのに、ファイアーウルフに愛情を注ぐスノーゴーレムが感動的な神回です。

どこか切なく、とても心温まる物語です。

 

あとがき

今回はアドベンチャータイムのおすすめ神回ついてご紹介しました。

怖い回や哲学的な回など、子ども向けアニメの枠にとどまらないストーリーがアドベンチャータイムの魅力ですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました!